ドバイに石油王が多いって本当?セレブな暮らしを紹介

アラブの景色

ドバ子
ねえねえ!ドバイのお金持ちは石油王ばかりなのかしら?
Mrドバイ
実は、ドバイに石油王はそれほど多くないんだ。
ドバ子
うそ!?イメージでは石油王ばかりのイメージだったけど。
Mrドバイ
ドバイは石油がたくさん採れるイメージをしている人が多いけど、全然採れないんだよ。
ドバ子
そうなんだ!じゃあ、ドバイはなんであんなにキラキラしていてお金持ちが多いんだろう?
Mrドバイ
今回の記事では、ドバイの石油に関する情報やドバイ経済の実態を詳しく紹介するよ!色々な国の石油王の暮らしについても紹介するから、ぜひチェックしてみてね!

 

ドバイに石油王はほとんどいない

商談成立

実はドバイに石油王はほとんどいません。全くいないわけではありませんが、多くの人が想像しているよりもずっと少ないといえるでしょう。

 

ドバイはアラブ首長国連邦内にある都市で、周りをサウジアラビアやオマーン・イエメンなどの石油産出国に囲まれています。

 

中東という土地柄と石油が埋蔵されているというイメージから、「ドバイには石油王が大勢いる」と考えている方も多いのではないでしょうか?

 

しかし、ドバイのGDPで石油産業が占める割合は極めて低いのです。ここでは、ドバイに石油王が居ない理由を国の経済体制をもとに紹介します。

ドバイの石油産業の割合はGDPの1%〜2%程度

ジュメイラモスク

ドバイでは石油がほとんど採れません。まったく採れない訳ではありませんが、GDP比で見ると、ドバイのGDPの約1%から2%程度の産業規模しかないのです。

 

ドバイの主要産業は卸売業や小売業・貿易業で、これらの産業が GDPの約3割を占めています。アブダビの鉱山・石油採掘事業が、全体の約6割を占めていると考えると、ドバイ経済がいかに石油に依存していない産業構造であるかがわかりますね。

 

ドバイの経済・産業についての詳しい情報はこちら:ドバイを含むUAE概要

 

国家(王族)が管理して国民に分配している

スーク マディナジュメイラ

中東諸国は「レンティア国家」とも呼ばれ、政府が石油や天然ガスなどの天然資源で獲得した富を国民に分配する政策を行っています。

 

Mrドバイ
貿易都市であるドバイは、得られた収益を他の産油国と同じように、国民に分配する政策をとっていることが特徴だよ!

 

2020年の5月23日に報道された「アラブニュースジャパン」のニュースによれば、ドバイは国民に対して、1兆5,000億ドル相当の土地と住宅を配分すると発表したそうです。

詳しくはこちら:アラブニュースジャパン

 

このように、政府からの手厚い保護政策が、ドバイ国民から大きな支持を受けています。裕福ではない国民も大々的にサポートしてくれるのは魅力的ですね。

生活に必要なものは国が負担してくれる

医療体制

ドバイの魅力は、政府が国民生活に必要なサービスやものを負担してくれる点です。

 

  • 医療費・教育費の無償化
  • 電気水道光熱費の無償化
  • 土地・住宅が付与されることも
  • 税金が最小限に設定されている

 

ドバイの公的医療や教育は無償化されていて、とくに教育費は小学校から大学まですべて無料で、さらに留学費用まで保証してくれます。このような政策を実施した結果、2018年の政府財政における教育支出は、全体の約20%にまで及んだそうです。

 

2018年における日本政府の教育支出が4%であったことを考慮すると、いかにドバイが教育に力を入れて国民を支援しているかがわかります。

 

国民は電気水道光熱費が無料で、外国人居住者も安く利用できます。さらに、ドバイでは各種の税金が無税か5%程度におさえられています。これは、外国の企業や労働者を自国に誘致する政策の一環です。

 

ただし、宗教上の理由で酒税が30%になっていたり、一部の奢侈品に関しては高い物品税がかかっていることには注意しましょう。

 

Mrドバイ
お酒については残念だけど、所得税や消費税などが低いのが魅力だね。

国家公務員の給与は桁違いに高い

お金

ドバイ政府の太っ腹っぷりは、国家公務員の給与水準にもあらわれています。ドバイの国家公務員の平均月収は約85万円です。UAE政府のトップともなれば、月収が200万円を超えることもあるそうです。

 

Mrドバイ
日本の国家公務員の平均給与が約40万円であることを考えると、ドバイの公務員がいかに高給取りであるかがわかるね!

 

低い税制や国民への土地・住宅の付与に加え、公務員に対する給与の還元によって、国の富を国民に配分しているのです。

ただし、国民全員が裕福なわけではない

貧困

国民に対してこれだけ手厚い分配やサポートを行っているドバイですが、すべての国民が裕福な訳ではありません。

 

ドバイ政府統計センターによれば、UAE人の平均年収は約1,400万円ですが、外国人の平均年収は約750万円でした。外国人が9割を超えるドバイにおいては、外国人の平均年収の方が、実際の経済状況を反映しているといえるでしょう。

労働キャンプ」と呼ばれるブルーワーカー向けの施設で生活している人に限って見れば、平均年収はたったの82万円というデータも出ています。

一部の富裕層が贅沢な暮らしをしている一方で、肉体労働者として低賃金で働いている人もいるという格差社会の現実もあるのです。

 

石油価格が下落して経済システムが停滞してきた国家もある

UAEの生活

石油産出国は、良くも悪くもエネルギー価格に国の命運を左右されてしまいます

 

サウジアラビアやクウェートはその典型で、世界的な脱炭素化の流れやOPECプラスの原油生産調整の影響によって、国家予算の縮小を余儀なくされている現状があります。

 

レンティア国家は国民に対する高福祉が魅力ですが、高福祉を維持できないと国民の不満が募り、暴動が起きてしまうという欠点もあるのです。

 

2011年から2012年にかけて起きた「アラブの春」は、民主化運動という縦書きで、国民の政府に対する不満が一気に爆発した結果でした。

 

Mrドバイ
このような国民の暴動や内乱の勃発を恐れて、石油・天然ガスの売却益を投資運用して、その利益を取り崩す形で国民に還元することを続けているんだ。

 

今の段階では大規模な暴動は起きていませんが、将来的に財政が縮小して高福祉のシステムが崩壊すれば、いずれ暴動が起きることは避けられないでしょう。

 

レンティア国家体制はエネルギー価格の下落で高福祉を提供できなくなることで、国民から大きな反発を受けるリスクと隣り合わせという側面があります

 

石油王が多い国はどこ?どんな生活をしているの?

ドバイ 観光

ドバイは石油王がほとんどいない貿易国家ですが、イメージとは打って変わって、石油王が多い国も存在します。イメージ通りの中東だけでなく、南米や北米にも石油で巨万の富を得ている石油王がいるのです。

 

ここでは、実際に石油王が多い国の生活と、石油王たちの生活ぶりを紹介します。

石油大国ランキング1位「ベネズエラ」

ヴェネズエラ

中南米にあるベネズエラは、世界で最も原油埋蔵量が多い国として知られ、2020年に公表されたデータによれば、総埋蔵量は3,038億バレルにも及びます。

 

主要な輸出産品も、原油と石油製品で、同国の年間輸出額の9割以上を占める国です。そのため、石油王が多く存在すると言われています。

 

ただし、近年は経済破綻の影響で、ハイパーインフレが発生。国民の生活は、日に日に苦しくなっています。2021年に行われた調査によれば、国民の94.5%が貧困層だというデータも。また、所得格差も、北南米内で最悪になるという予測もあります。

 

石油王の生活ぶりをうかがえる画像は少ないですが、国民の9割が貧困に苦しむベネズエラで、石油王などの一部の人だけが贅沢な暮らしをしていることがわかります。

 

Mrドバイ
石油王として外貨を稼げる人はいいですが、それ以外の一般国民の生活はとても苦しいみたい

石油大国ランキング2位「サウジアラビア」

砂漠

中東の石油産出国といえばサウジアラビアです。アラブ首長国連邦と同じくレンティア国家で、原油の総埋蔵量は2,975億バレルともいわれています。

 

2022年のサウジアラビア経済は絶好調で、1月〜3月期は前年比で約10%も経済成長しました。ロシアウクライナ戦争の影響で石油増産調整が行われ、石油輸出が進み、経済が急速に発展しています。

 

サウジアラビア国王が2018年に訪日した際は特注ハイヤー500台、随行員1,000人の手配と高級ホテル12,000室を予約して、日本の報道陣を驚かせました

 

また、サウジ国内では自分の名前の巨大な堀を作らせたり、412億円ものお金をかけて世界最大の旅客機を購入したりしています。有り余る莫大な資産で、手当たり次第に贅沢の限りを尽くしているという印象です。

HAMAD

出典:ニッポン放送

政府主導で石油関連企業を国有化して、得られた利益を国民の福祉に還元していますが、そのせいで国民の失業率が高くなっていることが問題となっています。

政府から多額の失業手当や手厚い福祉が保証されているせいで、国民は勤労意欲を失くし、失業率は12%にも及ぶといわれてますね。

石油大国ランキング3位「カナダ」

カナダ

カナダは世界第3位の原油埋蔵量を誇る国で、総埋蔵量1,681億バレルです。2021年以降のカナダ経済は好調で、経済活動を回復しつつあります。

 

カナダのウォーターウルフという石油王が、ウルフの名前を付けたF1を製造してF1レースに参戦するなど、羽振りの良さで有名です。

カナダでは、オーダーメイドのレースカーも数々製造されていて、オイルマネーを好きな物に惜しみなく投じているのが印象的です。石油取引で儲けたお金で、自分の好きな趣味に打ち込めるのは幸せですね。

 

石油産出国に比べるとドバイの経済は安定している

ドバイの夜景

ドバイは石油産出で繁栄している都市ではないので、エネルギー価格で国の運命が決まってしまうことはありません。

 

ドバイは海運や航空貿易の世界貿易の中心として、発展してきた都市です。ドバイの2019年度の輸出金額は、前年度比で422億ドル(19%の増加)、再輸出金額は1,143億ドルで(4%の増加)と年々拡大していることがみてとれます。

 

また、「フリーゾーン」という経済特区をドバイ各地に設け、多国籍企業や優秀な人材を世界中から誘致する政策を推進しました。

 

その結果、周辺の産油諸国が原油価格の暴落に悩んでいる時期にも、ドバイは安定的な経済成長を遂げたのです。

 

Mrドバイ
ドバイは安定的な貿易収支と海外からのビジネス誘致によって、今後も安定的に経済発展していくと予想できるよ!

 

石油はないけどドバイは豊かな都市国家

ドバイ 街並み

Mrドバイ
どう?これでドバイに石油王が居ないことがわかったかな?
ドバ子
うん。ドバイは周辺国とは違って、貿易やビジネス誘致で経済成長しているのね。
Mrドバイ
そうだね。レンティア国家として高福祉を実現している一方で、エネルギー価格に依存していない都市になっているんだ。
ドバ子
教育費や医療費、税金が安いのは国民や外国人にとっても魅力ね。
Mrドバイ
それに、経済特区を設けることで、国外からの優秀な人材の誘致に成功しているんだ。
ドバ子
うんうん!ドバイは石油依存のサウジアラビアやクウェートとは違って、安定的な経済成長や社会の安定に今後も期待できるのが強みのようね。
Mrドバイ
今後も融資や投資をするなら、経済成長が見込めるドバイがおすすめだね。この記事を読んでいる皆さんも、ドバイ経済の実態について知って、自身の投資やビジネスにつなげてみてくださいね。